作成日 2013/10/27 最終更新日 2013/10/27
応用情報H25春 問16の解説
応用情報H25春 問16の解説をします。
分野:テクノロジ系
大分類:コンピュータシステム
中分類:システム構成要素
小分類:システムの評価指標
3台の装置X〜Zを接続したシステムA,Bの稼働率について,適切なものはどれか。ここで,3台の装置の稼働率は,いずれも0より大きく1より小さいものとする。
ア 各装置の稼働率の値によって,AとBの稼働率のどちらかが高いかは変化する。
イ 常にAとBの稼働率は等しい。
ウ 常にAの稼働率が高い。
エ 常にBの稼働率が高い。
まずは、AとBの稼働率を計算します。
次に、Aの稼働率 - Bの稼働率を計算します。
最後に結果が、ア〜エのどれに当てはまるのかを考えます。
※注:このページは応用情報の解説ということで、稼働率の算出は出来るものとして、説明は省きます。分からない人は「基本情報H24秋 問15の解説 」を見てください。
まずは、AとBの稼働率を計算します。
各装置の稼働率をp(0 < p < 1)とすると、
Aの稼働率は、
{ 1 - ( 1 - p )2 } * p
Bの稼働率は、
1 - ( 1 - p ) * ( 1 - p2 )
となります。
次に、Aの稼働率 - Bの稼働率を計算します。
Aの稼働率 - Bの稼働率
= { 1 - ( 1 - p )2 } * p
- { 1 - ( 1 - p ) * ( 1 - p2 ) }
= 2p2 - p3
- { p + p2 - p3 }
= p2 - p
最後に結果が、ア〜エのどれに当てはまるのかを考えます。
少なくとも、イではないことは明らかです。
ア、ウ、エのどれなのかは、分かりませんね。なので、「Aの稼働率 - Bの稼働率」の結果である「p2 - p」を次のように式変形(因数分解)します。
Aの稼働率 - Bの稼働率 = p2 - p
= p * ( p - 1 )
では、考えましょう。
「p」の範囲は0 < p < 1ですから、常に正です。
( p - 1 )はどうでしょうか?常に負になりますね。
ということは、正 * 負 = 負ということで、結果は常に負です。ということは常にBの稼働率の方が大きいです(補足参照)。
よって、答えはエです。
■補足:
ここでは、因数分解を使って、答えを求めましたが、もし、複雑な式になっていた場合は、因数分解を行うのが難しいです。
ここでは詳しい説明はしませんが、そのような場合でも、微分を行い、極値を計算して増減表を書いて、グラフを描けば常に正になるのか、負になるのかは求めることが出来ます。
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