作成日 2013/10/14
最終更新日 2013/10/14

基本情報H24秋 問15の解説

 基本情報H24秋 問15の解説をします。


分野:テクノロジ系
大分類:コンピュータシステム
中分類:システム構成要素
小分類:システムの評価指標

1.問題
2.解説


1.問題

 図のような,稼働率Pのシステムで構成された多重化システム全体の稼働率を表す式はどれか。ここで,並列の部分は,どちらか一方が稼動していればよいものとする。


ア 1-(1-P)(1-P 2)2      イ P {1-(1-P)4}
ウ P {1-(1-P)2}2      エ P {1-(1-P 2)2}
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2.解説

 正攻法で解いてみます。

■その前に、稼働率x(0< x< 1)と稼働率y(0< y< 1)の2つのシステムが直列に接続されている時の稼働率、及び、並列に接続されている時の稼働率を導出しておきましょう。 (注:xとyに単位はありません。

 ◆直列に2つ接続されている時
  構成図は、
   
  です。
  この場合は、2つのシステムが共に稼動している確率を計算することになります。
  なので、
   x * y
  となります。
  これは、上記の構成は、
   
  と同じであることを意味しています。

 ◆並列に2つ接続されている時
  構成図は、
   
  です。
  この場合は、片方でも稼動している確率、すなわち、共に稼動停止する場合以外の確率を計算することになります。
  稼働率xのシステムが稼動しない確率は
   (1 - x)
  です。
  同様に、稼働率yのシステムが稼動しない確率は
   (1 - y)
  です。
  2のシステムが両方とも稼動しない確率は
   (1 - x) * (1 - y)
  です。
  よって、共に稼動停止する場合以外の確率は
   1 - (1 - x) * (1 - y)
  となります。
  これは、上記の構成は、
   
  と同じであることを意味しています。

  なお、今回、「余事象」を使って計算しました。余事象を使わなくても、上記の式を導出することは可能ですが、式変形がかなり厄介です。お勧めしません。
  簡単に説明すると、余事象を使わず、「片方でも稼動している確率」を計算すると、以下の式が出てきます。
   x * y + (1 - x) * y + x * (1 - y)
  この式は、上記の式と同じです。この確認は2つの式を展開することで確認できます。しかし、この式を上の式の形に持っていくのは難しいでしょう。

■上で求めた2つの式を使って、計算していきます。

 問題の構成図は、
  
 です。
 まず、稼働率Pが2つ直列に接続されているところを、以下のように直します。
  
 ※補足参照。
 次に、稼働率P2が2つ並列に接続されているところを、以下のように直します。
  
 最後に、2つ直列に接続されているところを、以下のように直します。
  

 よって、答えはエです。

■補足
 実は、この時点で答えがエであることが分かります。
 まず、アが間違っていることは分かりますよね。
 先頭にPが無いから。
 イとウが間違っていると何故わかるかと言うと、この2つの式には「P2」の項が無いからです。
 なので、答えはエです。
 この方法で正解を導き出すのは常に出来るわけではありません。また、受験テクニックのような感じがして嫌に思うかもしれません。
 しかし、あせったとき、時間が無いとき、また、正攻法で問題を解いたときの簡易チェックに使えるので、悪い方法では無いと考えています。
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