作成日 2009/12/30 最終更新日 2010/1/17
プロジェクトマネージャ試験対策(多分)
情報処理技術者試験の試験対策です(実際には対策と言うよりは心構えといった感じかもしれない)。
※だるまがプロジェクトマネージャ試験に合格したのは2007年です。
もう既に試験制度が変わってしまっているので、このことも踏まえたうえで参考にしてください。
まずは、書籍を紹介します。
※購入する際は、極力、最新版を購入してください。
情報処理技術者試験プロジェクトマネージャの参考書です。非常に良くできています。
何が「良くできているか」というと、午後IIのサンプル論文がすごいんです。
普通だったら、完璧すぎる論文を載せるところです。でも、完璧すぎるサンプル論文ではっきり言って参考にならないんです。だって、実際の試験では時間が限られていし、調べたりも出来ない。なので、どこまで書けばよいかというのがという情報が重要なんです。
この書籍に載っているサンプルは完璧論文ではありません。「ここはこうするともっと良い」とか「ここは後でよくないことに気がついたが、消している時間がなかったのでこう書いた。それだけだと減点されるから、設問ウの解答でフォローすれば減点は免れるだろう」とか、「ここでのポイントは…である」と言うことが結構細かく書いてあるんですよ。
はっきり言って、「非常に良くできています」ではなく、「出来過ぎ」です。
※これも、購入する際は、極力、最新版を購入してください。
PMBOKの本です。個人的には何でも良いと思いますが、最低1冊はあった方がいいです。
プロジェクトマネージャは管理したり作業指示をするのが仕事であって、設計したりプログラミングをしたりするわけではないから、技術的な知識は不要。
…と思っている人、それは申し訳ないのですが、間違いです。
根拠は以下の通りです。
技術的な知識が全くないと、技術者(データベーススペシャリストなど)とコミュニケーションがとれません。
いやいや、そこは技術者がプロジェクトマネージャに対してわかりやすい言葉(技術者でなくてもわかる言葉)で説明すべきであるので関係ない。…と考えている人がいると思いますが、それは違います。
そんなことをしてたら、時間がいくらあっても足りません(納期が守れなくなります)。
技術者が言っていることが理解できず、無駄な指示、間違った指示を出しかねません(※だるまは実際にされた経験があります)。
お願いですから、最低でも応用情報技術者までは勉強・合格してください。
つーか、午前試験で落っこちます。
でも、なんで午前試験で技術的な内容が出題されるのでしょうかね?
IPAも、同じように考えているのではないでしょうか?
※個人的には、技術がわからないプロジェクトマネージャはプロジェクトマネージャではないと思ってます。
今までの経験があるから、とくに暗記なんてしなくても合格できる。
…と思っている人は意外と多いようですが、それは間違いなんです。
それから、暗記よりも判断能力とかの方が重要だとか、どうせ教科書レベルの知識を暗記したって実践では役に立たないとか、そういう考えも、この際きっぱり言いますが、間違いです。
根拠は以下の通りです。
プロジェクトマネージメント関連の単語(専門用語)がわからないとコミュニケーションがとり難くなります。
勘違いしないでください。コミュニケーションは取れればよいというものではありません。それにかかる時間、コストは無視できませんので。
「暗記より判断能力の方が重要」という考えは確かにその通りだと思いますが、判断するためにはそれなりの知識(プロジェクトマネジメントの基礎)が必要だと思います。
暗記なのですが、視野が広くなるように心がけると良いと思います。
PMBOKの本のp26,27に、以下の記述があります。
PMBOKガイドでは,効果的なプロジェクトマネジメントのために,少なくとも次の5つの専門領域の知識とスキルを理解して使用する必要があるとしている。
① プロジェクトマネジメント知識体系(PMBOK)
② 適用分野の知識・標準・規則
③ プロジェクト環境の理解
④ 一般的なマネジメントスキル
⑤ 人間関係のスキル
このうち、最低でも①や②については暗記が必要だと思います。
「どうせ教科書レベルの知識を暗記したって実践では役に立たない」ですが、そんなことはないと思います。
少なくともPMBOKは今まで、いろんな人がプロジェクトマネージメントについて研究した結果だから、こう考えている人の経験よりはるかに正しい知識であると思います。
試験時間は短いですので、考えている時間はそんなにありません。正確な単語が思い出せず、時間が過ぎていくという事態にならないようにした方が合格しやすいと思います。
※ちなみに、だるまは暗記は苦手なんです。大学受験する際は暗記が少ない物理学科を選択しました。
でも、その物理学科でさえ暗記が全くないかというと、そんなことはありません。数学や物理の公式や専門用語については暗記、もしくは理解する必要があるんです。
「何でもかんでも暗記」では決してないです。でも、必要最低限の暗記というのはあるんです。
PMBOK ( Project Management Body Of Knowledge ) はプロジェクトマネジメント知識体系のことです。
このPMBOKに関する資格試験 もあります。
それで、このPMBOKを勉強して欲しい理由は、「すこしでもプロジェクトマネジメントについて正しい知識・理解を身につけた方が合格しやすいから」です。
すでに述べましたが、「PMBOKよりも自分の経験の方が正しい」と決め付けている人は、考え直してください。
場合によっては、常識(?)を捨てる必要が出てくると思います。そんなことはないだろうと思う人もいると思うので、以下の問題を解いてみてください。
問題: プロジェクトにプラスの影響があると考えられる場合、嘘をついても良い。
A.はい
B.いいえ
答え:B.いいえ
解説:
(4) 誠実さ
すべての活動において、誠実さこそ最善の策である。したがって、たとえプロジェクトにプラスの影響があるとしても、嘘をつくことは一切してはいけない。(「嘘も方便」は通用しない。)
PMBOKの本(PMP試験合格虎の巻)のp247より。
最後にですが、具体的にどれくらい勉強する必要があるのかなのですが、、、まずは、最低でも9つある管理項目は名前だけでも暗記してください(たったこれだけでも視野が広くなるはず)。
それ以外はまあ、必要に応じてということで。
プロジェクトマネージャが管理する項目はコスト、納期、品質が有名ですが、他にもあります。
そんなのわかっているという声が聞こえてきそうですが、残り6つあるのですが、言えるでしょうか?
もし、言えないのであれば、勉強してください。
何故これが重要なのか?その根拠は以下の通りです。
既に述べたけど、視野が狭くなるのを防止でき、より正しい判断が出来るようになると思います。
午後II試験(論文)において、リスク管理や特に人的資源管理の問題が意外と多い(午後IIは選択問題だから選択しないという手もあるが)。
午後II試験(論文)の「詳細に記述せよ」という問題にて、プロジェクトにおいて例えばあなたが品質に関する何らかの対策をとる必要性に迫られたことを書いたとします。
そして、対策をとったとします。
しかし、問題はそれで終わりません。
その対策によって、他の管理項目(コストや納期、人的資源、調達)に影響が出るはずです。
その影響を書いていなかったり、影響についてどうしたか(対策)という記述がないと減点されるらしいです。
ある管理項目だけを管理するのはNGであり、必ず、他の管理項目とセットで考える必要があります。 ということは知っていなかったら書けない訳で…。
プロジェクトマネージャに限らないが、困難な問題を解決したことがあればあるほど(もしくはできるほど)優秀。
…と思っている人を見かけるので、あえて書きますが、違います(それはそれで優秀だけど)。
じゃあ、どういう人が優秀なのかというと、そもそも問題を起こさない人、問題が起こることを予防できる人が優秀なんです。
その根拠は以下の通りです。
問題が発生し、それまでにかかってしまったお金は絶対に取り返せません。
一応、品質、時間は取り返せますが、そのかわりお金がなくなります。
PMBOKの本を見ていたら以下の記述があった。
…さらに、品質マネジメントにおいて重要な点として、次の項目が挙げられている。
① 顧客満足
② 検査よりも予防
③ 経営の責任
④ 継続的改善
吉沢 正文 , 庄司 敏浩 , 落合 和雄著 『PMP試験合格虎の巻―重要ポイント解説+演習問題・模擬試験 』 のp146より
プロジェクトマネージャ試験の午後IIでも、どのようにして早期発見に努めたかとかが出題されたことがあります。
以下は、午後II試験のタイトルのうち、関係するものです。
・[H21春]問2:設計工程における品質目標達成のための施策と活動について
・[H18秋]問2:情報システム開発におけるプロジェクト予算の超過の防止について
午後II試験(論文)の設問イにて「具体的に述べよ 」と書かれています。こういう箇所は定量的に(具体的な数値を出して)示した方がいいです。
例えば、何かを判断するときも、数値を出す。具体的には、品質だったら、ソース1Kstepあたりバグが○件以上ある場合、ドキュメントに対してのレビューで指摘件数が○件以上は、原因を調査し、対策をとるとか。
それで、その原因を調べるときも、「担当者に品質不良の原因をヒアリング」で済ませない。というか、これだけだと、本当の原因がつかめないことがあります。
(担当者が意図して品質不良を起こしているのではなく、無意識のうちに(もしくは知識不足、理解不足のために)そうなってしまうことがあります。だから、ヒアリングしたところで、本当の原因がつかめないことがあります。それから原因は1つとは限らないので、注意が必要です。)
「リーダーからヒアリングする」、「品質不良が起こる一般的な原因をリスト化しておき、そのリスト(チェックリスト)を用いて、全ての可能性を1つ1つつぶしていく(リストの中身を少し書くといいかも)」、「原因がつかめたら、さらにその原因を探る」くらいした方が良いと思います。
その後、対策をとるのですが、これも、「○○をした」ではなく、「対策法としては××、○○、△△の3つが考えられたが、プロジェクト終結までの費用対効果の点から○○を採ることにした。対策は2重、3重にもとった方が確実だが、コスト面で無理が生じる点や○○のみでも十分な効果が得られると考えたためこうした。」
という感じで、対策法を複数考え、それを選択した理由(他を選択しなかった理由(他の管理項目も考慮する))を考えた方がいいと思います。
人的資源管理に関する問題が結構多いです。
・[H21春]問1:システム開発プロジェクトにおける動機付けについて
・[H18秋]問1:情報システム開発におけるプロジェクト内の連帯意識の形成について
・[H17秋]問3:プロジェクト遂行中のチームの再編成について
それでも午後IIは選択問題だから、捨てても情報処理技術者試験プロジェクトマネージャには合格できるかもしれない。
ただ、個人的には、実際の現場では人的資源管理は非常に重要だと思う。PMBOKの本にも「もともとプロジェクトマネジメントでは人間的な問題が重要です。人的側面に関してはあらゆる要素を考慮に入れなくてはなりません。 」と書いてある。
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