作成日 2014/2/15
最終更新日 2014/2/15

応用情報H25秋 問33の解説

 応用情報H25秋 問33の解説をします。


分野:テクノロジ系
大分類:技術要素
中分類:ネットワーク
小分類:ネットワーク方式

1.問題
2.解説


1.問題

 ビット誤り率が 10%の伝送路を使ってビットデータを送る。誤り率を改善するために,送信側は元データの各ビットを3回ずつ連続して送信し,受診側は多数決をとって元データを復元する処理を行う。 このとき,復元されたデータのビット誤り率はおよそ何%か。ここで,伝送路におけるビットデータの増減や,同期方法については考慮しないものとする。


ア 1.0   イ 2.8   ウ 3.1   エ 3.3
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2.解説

 これは、、、なかなか、難しい問題ですね。高校1年生レベルの数学の知識が必要というだけではなく、その中でも難しい方でしょう。


 まず、「ビット誤り率」を考えるという箇所が大事です。
 ビットだから「0」か「1」のどちらかしかありません。なので、正しい場合が0の場合、間違った値の場合は、必ず1になります。

 次に、「多数決」について考えています。
 考えるといっても、図にするだけですが。
 正しい場合が0の場合、
  ・3回とも0 ⇒ 0と判断
  ・0が2回で、1が1回 ⇒ 0と判断
 です。逆に、
  ・0が1回で、1が2回 ⇒ 1と判断
  ・3回とも1 ⇒ 1と判断
 です。

 それで、問題には「ビット誤り率」を求めろと書かれているので、
  ・0が1回で、1が2回 ⇒ 1と判断
  ・3回とも1 ⇒ 1と判断
 の2つが起こりうる確率をそれぞれ計算し、合計することになります。

 この問題の難しさは、上記2つの確率を計算することにあります。なぜって、余事象が使えないし、1つ1つ求めるのは、結構間違えやすいし。

◆普通に解く
 まずは
  ・0が1回で、1が2回
 が起きる確率を計算します。
 以下の3通りがあります。
  ・110
  ・101
  ・011
 確率は、
  ・110 ⇒ 0.1 * 0.1 * 0.9 = 0.009
  ・101 ⇒ 0.1 * 0.9 * 0.1 = 0.009
  ・011 ⇒ 0.9 * 0.1 * 0.1 = 0.009
 なので、合計すると、0.027です。

 次に、
  ・3回とも1
 が起きる確率を計算します。
 この場合は、
  ・111
 の1パターンだけであり、
  ・111 ⇒ 0.1 * 0.1 * 0.1 = 0.001
 です。

 よって、2つの確率を合計すると、
  0.027 + 0.001 = 0.028
 となるので、百分率で表すと、2.8%です。

よって、答えはイです。


◆二項定理を使って確率を計算する
 二項定理が分からなくても、問題ないです。
 とにかく、
  (0.1 + 0.9)3
 を展開するんです。
 じゃぁ、早速、やろうか。
  (0.1 + 0.9)3
    = 0.13
     + 3 * 0.12 * 0.9
     + 3 * 0.1 * 0.92
     + 0.93

 で、
  0.13の部分が、「3回とも1」の確率で
  3 * 0.12 * 0.9の部分が、「0が1回で、1が2回」の確率になります。

 2つを計算し、合計すると、0.028、百分率で表すと、2.8%です。

よって、答えはイです。
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